利用技術分科会

 活動概要
 建築(住宅)における制振材料利用技術WG
静かな居住環境の創造に向け
制振材料による振動騒音制御について研究しています
 
 建築(住宅)における制振材料利用技術WGでは,鉄筋コンクリート住宅の150mm厚の床に通常の拘束型の制振材料(制振層3mm+鋼板拘束層3.2mm)を貼付することでコンクリート床の制振を行うことができ,床を加振したときの床の振動モードにより発生する重量床衝撃音(人間の走り回りや飛びはねなどの比較的重く柔らかい衝撃によって発生する床からの音)の低減に有効であることを実証してきました。
(SDT技術交流会資料,SDT98019,SDT99024)

 しかしながら,床を加振した場合,床の振動と同時に室の固有モードによる共鳴音が発生します。この共鳴音に対して制振材料は全く機能しないため,床の振動モードによる発生音と室の固有モードによる共鳴音が混在した状況で騒音計による物理的な評価を行うと,共鳴音の影響により見かけ上制振材料を床に貼付しても低減量が非常に小さくなってしまい,数値上では制振材料による重量床衝撃音低減効果がわからなくなってしまいます。

 現場実験を行っている者たちは,等しく聴感的には5dBあるいはそれ以上の低減効果があると感じているため,聴感メカニズムを考慮した物理評価量・・・非定常ラウドネス(近々ISO規格になる予定)を導入し,従来とは別の観点から評価を行っています。

 その結果,SDT技術交流会資料,SDT01021,SDT02021に述べているように,聴感と対応のよい大きな低減効果を確認することができました。

 その後,録音した床衝撃音を試聴室においてスピーカから再生し,被験者に裸床と制振床の床衝撃音を実際に聞き比べてもらう主観評価実験を行い,これまでに得た結果の妥当性を検証しました。
 (研究の流れ,発表論文は,右下の「活動報告」のボタンをクリックしてご覧下さい)
最終的には本WGで得た研究成果を学会などで認知してもらい,聴感メカニズムに基づいた床衝撃音評価方法の確立と制振床の普及を目指して行きたいと考えております。

 また今後は,以上の問題と並行して他部位への制振材料の適用の可能性についても検討を進めていく予定にしています。


事例研究WG
 事例研究WGは、しばらく休眠状態でしたが、体制を新たにして事例研究発表会の再開準備を進めています。

今後、以下の事例報告会を開催する計画です。

●音響管測定に関する事例研究発表会

●数値計算シミュレーションに関する事例研究発表会