2025年を迎えて(会長挨拶)

制振工学研究会会長 岡村 宏

明けましておめでとうございます.本年もよろしくお願いいたします.

 新しい年を迎えるに当たり,この一年を振り返りますと,野球の大谷選手のように,新しい環境かで,のびのびとやるべきことを自ら実践し,素晴らしい成果をあげた方がおられます.日本とは土壌の異なるMBLの中でリスペクトされる発信し,新たなるチャレンジのすばらしさを皆が実感できたものと考えます.米国国内で,日本人全体に対する印象が向上したといわれていると聞きました.

近年,今までのバランスやルールのメカニズムをうまく活用し,自らの体制維持やねらいのためすり替えてきた方策に,良い意味でも悪い意味でも,多くの大企業や国家レベルが参加してきました.昨年度はSNS等の自由なコミュニティによる新しい波が昨年あたりから世界のあちこちで起き始め,驚きの注目を浴びました.G7等の国で起きている政権交代,国内でも予想しなかった選挙結果等があります.しかし,この中にはかなりのフェイクや悪意も内蔵されている可能性が大きく,聞き分けられるスキル,民主主義の自浄性が求められているものと考えます.

原爆に関する平和のノーベル賞の受賞は当該コミュニティの努力が認められたこととして,大変すばらしいことと考えます.ここでも,これをバネに日本がやるべきことは沢山あると考えます.核兵器を脅しに使うやり方の危険なバランスの影響下にある多くの国が,必要悪を認めています.国ベースでも収拾がつかないのに,非公式組織や個人レベルまで核の使用が可能になると大変です.もっと,色々な観点からのコミュニティが世界中で湧き上がることが重要だと考えます.

社会の中に,自由な意見交換が活発化して,新しい提案が芽生えるきっかけの可能性を含有することが大切のように考えます.我々の研究会の中でも,個別の技術内容が正確に皆様と共有できることが目的の一つではありますが,個別の事実を単に組み合わせるのは,AI技術などにとって代られる時代です.AIは過去の事実の組合せやシステムを再現する能力にはたけていますが,新しい組合せすなわち,今までになかった観点からのアイディアや考え方には,やはり技術者が必須でしょう.

研究会では,初めてハイブリッド方式の技術交流会を開催しました.研究会の事務局が外部委託から会員組織が分担に変更となり慣れない中,無事に遂行されました.対面式を主体としながら,地方の会員サービスの面からも考慮して,ハイブリッド方式を試行してゆく予定です.

対面の効果もあり,発表に対して色々な議論が展開されたことは,喜ばしいと考えます.ダンピング効果だけでなく,振動エネルギーの取扱い方を研究する研究会として,これからもより良い議論ができるとよいと考えています.これらのベースとなるものとして,若手向けの講習会の企画や各分科会での会合やWG活動にも積極的にご参加をお待ちしております.インフルエンザーの流行の兆しも見えます.会員の皆様には,十分ご自愛の上,本年の活動に参加し,研究会を後押しして頂けるよう,よろしくお願いいたします.

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